1949年11月11日(金)の新聞から

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日経「結局数十億円に、年度内の所得税軽減、予算計数、きょう最後決定」

読売「税制改革三法案成る、取引高税一月から廃止、勤労所得控除、十五%に引上げ」

朝日「講和問題に集中、両院で一般質問始まる、国会の審議・本格化す、平和保障に不安、社党質問」

 何しろ占領期の日本です。今年の3月にドッジ・ラインと呼ばれた財政金融引き締め政策が、実施されました。見出しにあるような政策も、吉田首相と池田蔵相が考えても、ドッジの許しが無ければ実現できませんでした。そんな様子は、記事の中に散りばめられてます。またサンフランシスコ平和条約が署名されるのは、1951年9月のことです。この時期は占領下での戦後経済立て直しに頭を痛めながら、その一方で占領を早く終わらせるべく、講和条約に向けて神経を使っていた時期と言えるでしょう。


この日の日経新聞から

気になった記事
 4面には今でも続いている経済教室で、「千円札の発行は経済安定の証拠、でも根強い反対論、高額紙幣と小額紙幣」とあります。因みに小額紙幣、日銀券として一円,十銭,五銭札が発行され、政府紙幣として五十銭札が発行されていました。この政府紙幣の五十銭札は1953年に廃止され、その後は発行されていませんが、ここ十年で何度か発行を議論されています。

目にとまった広告
 日立製作所の日立トランスの謳い文句に「自由販売になりました」とあります。また味の素の広告では、「配給申込受付中、味の素が極めて安価に配給されます。家庭購入通帳で登録店にお申込み下さい」との謳い文句。戦後すぐの状況が広告に表われていますね。