1970年7月25日(土)の新聞から

トップ記事

日経「公害防止計画を東京・神奈川・大阪に、10年で目標達成、住宅と工場を分離、厚生省方針」

読売「公害、政治は何をしている、打ち破れ 経済優先 生か死か、国民の危機感当然、本社座談会」

朝日「公害防止の青写真、人体に障害与えぬ最低目標値、達成には10年がかり、東京・神奈川・大阪が対象、厚生省委が基本方針」

 三紙共に公害がトップ記事でした。
 この計画は、東京は伊豆七島を除く全域、神奈川は横浜・川崎・相模川以東区域、大阪は全域が対象となっています。この月の新聞を眺めると、毎日のように光化学スモッグの記事があります。高度成長の弊害に向き合う時期と言えますが、遅すぎたとも言えます。


この日の朝日新聞から

気になった記事
 この日は公害関連の記事が多い中で、12面経済面で、テレビとラジオの二つの記事がありました。

 「耳」というコラムでは、「高すぎる国内向けカラーTV、批判強まる」との見出しです。家庭にカラーテレビが普及し始めた時期でしたが、対米輸出ダンピングが問題になっていました。対米FOB価格は6万3千円、しかし国内販売は18万円でした。記事ではこの二つの価格を単純比較するべきではないとの正しいコメントを示しながら、何とかすべきだとの主張です。

 次に別記事で「ラジオ 国内売れ行き好調、感覚世代に受ける」との見出しがあります。テレビの普及でラジオ頭打ちと見られていたが、FM放送の本格化で高級化されたラジオが売れているとの記事です。


目にとまった広告
 9面にハネウエルの「プログラマー募集」との広告があります。ハネウエルは1886年に設立されたアメリカの多国籍企業でありますが、日本でプログラムの仕事をしていたのでした。広告には大手企業と契約できたことによる人員募集とあります。


TV欄を見ると
 NHK教育18:00に「コンピューター講座」との番組があり、この日は「仕入業務の組立」がテーマで、出演は西村真一郎と渡辺昭雄でした。このような番組があった時期なので、私が考えているより遥かにコンピューター化が1970年には進んでいたのでしょう。なお出演の両名ですが、ネットでの検索ではその著書がヒットするだけでした。