1961年10月13日(金)の新聞から

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日経「石炭救済、通産省、対策急ぐ、まず金融と運賃、中小炭鉱から始める」
 日本の石炭の需要のピークはこの1961年とウィキペディアにありますが、既にこの記事の時期には石炭需要の減速が見えていたとのことなのでしょう。
 見出しにある「運賃」とは国鉄運賃のことです。大口需要者への運賃は、石炭価格の重要な構成要因ですので、この国鉄価格について石炭業界のよくしてあげましょうとの救済策のようです。
 炭労大行進なるものが福岡と札幌を出発し、この記事の時はもうすぐ東京入りする時でした。それが政府と国会を動かしたとのことです。

読売「核停協定先議を、岡崎代表、米英案を支持、国連政治委」
 完全軍縮の議論よりも、核実験停止を先に議論すべきとのものです。インドは「今すぐ実験をやめる」という主張をしていましたが、これとは異にする米英案を日本は支持したとのことです。
 インドは1974年に核実験を行い、核保有国となりました。「最貧国の核武装」と世界で話題になったのですが、この記事の1961年に世界は核実験を直ぐにやめる、そして核撤廃に繋げるとのインドの主張を「望ましいが本質的なものでない」と退けずに真剣に議論していたならば、その後の状況は変わったのかもしれません。


朝日「きょう非公式会談、賠償再検討、ビルマ申し入れで」
 現在のミャンマーであるビルマと日本間の賠償協定は1955年に発効となり、1965年までの10年間に総額2億ドルの生産物および役務を賠償として供与するとのものでした。この記事は、その10年の中間地点においての少しの見直しを意味するものです。


この日の朝日新聞から

気になった記事
 3面下に「ニュージーランドで死刑を廃止」との、小さな記事があります。ニュージーランドでは1941年に死刑廃止となりましたが1950年に復活、そして改めて廃止にするとのものです。そして死刑廃止は今でもニュージーランドで続いています。


目にとまった広告
 9面に富士重工業の広告があり、洒落たデザインのスバル360の写真が掲載されています。1958年に発売された人気車ですが、この広告では新郎新婦がスバル360に乗り込もうとしている写真を使い、「スバルでハネムーン」との宣伝文句を付けています。軽自動車でのハネムーンは流石に厳しいのではと、私は感じました。


TV欄を見ると
 NET 12:45から「水道完備・ガス見込」との番組があります。その内容は「いまからでも遅くない」というものです。私は情報番組かと思ったのですが、webで調べてみたら3年間続いた帯ドラマでした。ウィキペディアに寄ればその内容は、「物語は新興住宅地。上下水道の整備は進んだが、都市ガスは「開通見込み」だけであり、実際にはまだガスが通ってないという状況にある中の住宅地の住民の人間模様を描いたホームコメディー」とのものです。