1958年9月10日(水)の新聞から

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日経「税制改正 早急に具体化、きょう税制委員会懇談会再開、公約の線崩れそう、地方税減税で波乱必至」
 いつの時代も、どの国でも、公約では減税としますが、その実現は難しいものですね。


読売「ダレス長官、日米会談前に語る、安保条約変更も、日本の提案 同情的に討議」
 国務長官ジョン・フォスター・ダレスは日本に強い影響力を持っていた方です。ウィキペディアによれば1956年には日本に、北方領土の択捉島、国後島の領有権をソ連に対し主張するよう強く要求し、「もし日本が国後、択捉をソ連に帰属せしめたなら、沖縄をアメリカの領土とする」と指摘して日本側の対ソ和平工作に圧力を加えたとあります。


朝日「衆院 決算委で追及、主力戦闘機の内定、最終決定まだ、国防会議運営を再検討、首相答弁」
 この時代から政府・自民党・裏役は、グラマン派とロッキード派に別れていたようです。


この日の読売新聞から

気になった記事
 4面には、「機械業界も不況へ」「長期合理化急ぐ肥料業界」と、景気の悪い記事が並んでいます。この時期はなべ底不況のどん底状態でした。


目にとまった広告
 9面社会面下の広告は「トヨタ毛糸編機」で、愛知工業の広告です。

 私は子供の頃に実家に毛糸編機がありましたが、現在の編機は随分と小型化されています。また製造会社はかつての主要メーカーだったブラザー工業とシルバー精工が編機事業から撤退し、現在ではシルバー精工から事業継承となったドレスインという会社が毛糸編機を製造しています。

 因みにこの広告の愛知工業についてですが、明確な情報をネット上からは得られませんでした。今ある愛知工業は1985年に設立された鉄鋼製品の加工会社です。また1943年創業の愛知機械工業は、日産自動車の機能子会社です。豊田自動織機のかつての製造品目を見ても毛糸編機はなく、この「トヨタ」というブランドを使っている愛知工業の存在が謎のまま、私の調査は終了しました。


TV欄を見ると
 22:35 NHK「落語」は古今亭今輔が演じる「もう半分」です。この三遊亭圓朝作の怪談噺は、古今亭今輔の十八番でした。