1955年11月2日(水)の新聞から

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日経「電源導入断煙か 世銀借款 民間の期待薄れる 第二次分、結局は三千万ドル程度」
 既に決まった八幡製鉄に続く案件を政府は期待していたが、経済事情の変化、そして世銀当局との借款事業の意思の相違があり、4600万ドルの予定が3000万ドル程度になりそうとの記事です。
 日本の復興には世銀の存在があり、web上にある「日本が世界銀行から貸出を受けた31のプロジェクト」というページを見ると、1953年から1966年までの31プロジェクトが掲載されています。発電事業、製鉄事業といった日本の復興を支えたものが多くあります。また高速道路や新幹線の案件もあり、日本のインフラも世銀に支えられていました。


読売「行詰まりの総裁公選、四者会談進展せず、カギ 緒方氏説得 民主、自民 民主の乱れ待つ」
 緒方総裁、岸幹事長、石井幹事長、三木総務会長、大野総務会長の5氏の写真が掲載されています。
 自由民主党はこの月の15日に結党され、1954年から総理大臣となっていた鳩山一郎が総理を続けました。1956年4月に自民党総裁選が初めて行われんましたが、鳩山総理の信任投票だったとのことです。事実上の初めての総裁選となった1956年12月には、石橋湛山が総裁に選ばれました。


朝日「茂尻炭鉱(北海道 赤平)でガス爆発、死者10、48人も絶望、作業中の88人生き埋め、既に二回の惨事、茂尻炭鉱」
 最終的に死者は60名となった、大惨事でした。


この日の朝日新聞から

気になった記事
 1面の小さな記事に「白石記者帰社」との見出しがあります。朝日新聞の論説副主幹が中国出張から戻った、それだけの記事です。


目にとまった広告
 2面に宮入菌剤研究所の広告があり、「健康は腸から」として「ミヤリサン」を宣伝しています。私はこの会社を知りませんでしたが、現在ではミヤリサン製薬という社名で活動されている医薬品会社です。1933年に宮入近治博士(初代社長)により酪酸菌が発見され、その7年後に酪酸菌の工業生産が始まり、1947年に会社(宮入菌剤研究所)が設立されました。今でもミヤリサン錠、ミヤリサン胃腸薬錠などの一般医薬品も販売しており、以前は後楽園球場や東京ドームの一塁側内野中段に「腸にミヤリサン」の広告が出ていたそうです。


TV欄を見ると
 TV欄 NHK21:35からの「ニュース解説」は、安斎義美の出演でした。この方については情報を得られませんでしたが、安斎氏は1966年に国会 逓信委員会に参考人として呼ばれていました。その際の肩書きは、日本科学技術振興財団理事でした。